顧客の維持はビジネスの生命線ともいえます。
これができないと毎月毎月新規のお客さんに大勢来ていただかないと利益が出ません。
しかし一言に顧客維持と言っても、ものすごく難しい…
初めて来たお客さんで再来店してくれるのは50%とも70%ともいわれます。(いろんなアンケートや会社によって数字は変わるでしょうが)
今回はこれだけで顧客維持をしてくれる最高のサービスをご紹介していきたいと思います。
この記事はこんな方におすすめです
- 毎月の新規集客に疲れた方
- リピーターを増やしてさらに売り上げを上げたい方
顧客の維持が最高に楽になる方法
では、結論から言っちゃいましょう。
顧客維持を最高に楽にしてくれる方法。
それはランク制サービスです。
身近なものだと航空会社のマイレージサービスがとても分かりやすいです。
なぜランク制サービスがいいのか。どうやって実用するのか説明していきます。
この方法は航空会社だけに限らず多くの業種で使えるものですので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ランク制サービスが最高な理由
ランク制サービスがなぜ顧客維持に使える理由は主に三つです。
- 入会することによってお客さん自身にメリットがある
- ステータスを得られる
- ランクを上げること自体が楽しい
入会することによってお客さん自身にメリットがある
ランク制サービスは利用する回数や購入金額がある一定を超えると、ポイントをもらえたりランクが上がるといったサービスになります。
そしてポイントやランクに応じて特典が得られます。
売買において基本的に購入者は買ったものからしか利益を得られません。
ですから単純に商品や会社を比較しての購入となります。
しかし、購入したモノ以外でメリットを得られる。
この効果は絶大です。
もし競合が同じような商品やサービスをしていた場合、お客様の比較基準はかなりあいまいです。
下手したらこっちの方がたまたま近かったからという理由で、別のお店で購入することだってあります。
特典があればこのようなあいまいな比較理由を排除しやすいです。
少し遠かろうが値段が高かろうが、あなたのお店を選んでもらいやすくなります。
ステータスを得られる
私たち人間は特別扱いされることが大好きです。
一般的な購入者と違う扱いを受けられる会員はそれだけで価値があります。
そして会員同士でかかわりを持つコミュニティだとさらに大きな力を発揮します。
たとえばランクに金、銀、銅の三種類があったとしましょう。
他人から自分のランクが確認できる場合、自分が他のメンバーからどう見られてるかも気になってしまいます。
ランクが金であれば優越感に浸ることもできます。
逆に自分が銅で、周りのメンバーが金や銀であればプレッシャーを感じることもあるでしょう。
全員がそうなるとは限りませんが、他者の視線が気になるのは人間として自然なことなのです。
ランクを上げること自体が楽しい
人は数字を増やすことも大好きです。
これはゲームが最もわかりやすいでしょう。
経験値でレベル上げをしたり、スコアで他人とランキングを比べたり。
ゲームが好きな方は共感していただけると思います。
ランク制サービスはゲーム的な要素が多いです。
利用すればするほど、購入すればするほど目に見えてポイントがたまりランクが上がります。
この性質は娯楽的な一面があります。
ランクをレベルアップさせることが楽しい。
そしてレベルアップすれば特典ももらえる。
このおかげで購入すること自体に楽しみを持ってもらうことも可能です。
これは他社に比べれば大きなアドバンテージになるでしょう。
そしてあなたのお店から何度も購入する習慣をつける事によって、存在を忘れにくくしてくれます。
ビジネスで最も怖いのは忘却です。
顧客が自分のお店で商品を買うのをやめる理由のもっとも大きな理由は、「買いたいときに思い出せなかったから。」
忘れられてしまえば存在しないも一緒です。
何度も購入することで覚えてもらえる効果だけでも顧客維持の成果はとても高いものになるでしょう。
ランク制サービスの落とし穴
ここまでランク制サービスのメリットを書きましたが、デメリットも当然あります。
失敗事例はいくつかありますが一番のしくじり先生は「いきなりステーキ」でしょう。
かなり大規模に出店していたのでご存じの方がほとんどだと思います。
いきなりステーキは「肉マイレージ」というランク制サービスをしていました。
大量出店し、多くの新規顧客を取り入れて、低価格と肉マイレージでリピーターを増やすというビジネスモデルでした。
詳しいシステムの説明は省きますが、プラチナやゴールドなどの様々なランクを作ってそのランクに応じた特典をつけていました。
ここでは一例として改訂前のゴールドカード会員の特典を表示します。
・肉マイレージ:3,000グラム~19,999グラムまでの方が対象(3000g以上食べると対象になります)
・ゴールドカードにランクアップ時に1,000円分のクーポンをプレゼント
・誕生月にUSリブロース300グラムプレゼント
・来店ごとにソフトドリンク1杯無料
ものすごい特典です。
これだけの特典があれば確かにリピーターの囲い込みは楽だし、顧客維持は楽だったでしょう。
ですがこのゴールドカード会員、全国で100万人もいたそうです。すごい人数ですね(笑)
それだけの人数がこの特典を使ったらどうなるかなんてすぐ想像つきます。
割に合わない。
案の定、お店の利益に比べ特典のコストがあまりに大きすぎたので改定するハメになりました。
(ちなみに一番下のメンバーズ会員だけでも1400万もいたそうです。桁が違いますね(笑)まぁ、そのせいで自分の首を絞めることになってしまうんですが…)
ランク制サービスの注意点
ランク制サービスはあまりに強力な方法です。
その強力さゆえに使い方を間違えると毒にもなります。
上のいきなりステーキがいい例でしょう。
特典があまりにも魅力すぎたためにそちらのコストが莫大になり、利益を削ることになりました。
特典を魅力的にしないと顧客維持の効果は小さいですが、コストを考えないと自分で自分の首を絞めることになります。
これをきちんと考えないとお客さんが来すぎて困るなんていう矛盾した悩みを抱えることになります。
ランク制サービスを導入する際は気を付けましょう。
ランク制サービスの導入方法
ランク制サービスは上のいきなりステーキのような飲食業界でも利用できるほど汎用性がとても高いです。
それではランク制サービスの導入方法を説明していきましょう。
- ランクを決める
- 入会費(会費)を決める
- ランクに到達する条件を決める
- ランクごとの特典を決める
ランクを決める
まずはどのようなランクを作るか決めます。
基本的にエレベーター式のランクが4つあれば十分でしょう。
「プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ」などよくあるもので問題ありません。
自社に関連したランクがつくれるならそれもいいでしょう。
4つも作れないなら2つ3つでも構いませんが、なぜ4つがいいのかは後述します。
入会費(会費)を決める
次に入会費を決めます。
基本的に取り扱う商品が高額になるほど高く設定しやすいです。
ただし必ず入会費を取るべきとは言いません。
飲食店だったいきなりステーキは入会費は取りませんでした。
商品の単価が低いので入会費は割高にみられるのと、会員数を増やすことを第一に考えていたのでそのハードルを低くするためです。
元から個人情報登録などして入会しないと購入できないネット販売などは、無料会員の上に入会費が必要なランク会員など置きやすいです。
入会費にも入会するときだけ必要なものと、会費として月々請求するものがあります。
どちらかと言えば僕は月々請求する方をお勧めします。
月々請求だとメンバー数×会費でその月に不労所得が発生します。
毎月必ずこれだけ売り上げがあるというのは安心感にもつながります。
それに長期的なメンバー維持をすることができれば会費だけでも多くの利益を得ることが可能です。
ちなみに月々の会費はランクが上がるたびにあげても構いません。
一番下のランクが1000円、その上が3000円、さらにその上が5000円などこれは一例ですがこんな感じに上げても特典に魅力があれば文句は言われません。
ランクに到達する条件を決める
ここまで決まったら次はランクに到達する条件を決めます。
条件と特典は正解がないので、とても決めるのが難しい部分となります。
なので最低限抑えるポイントとやってはいけない事を書きます。
- お金で解決させない
- 一度退会したらまた一番下からスタート
- ちょっと頑張れば次のランクに行けそうという制限
お金で解決させない
これはランクの入会費を変えることによって自由に設定できないようにさせることです。
ランク制サービスは労力と時間とお金をかけてランクを上がっていくことを目標にしています。
一つ一つ苦労をしてランクを上がってもらうことで、達成感と喜びを得てもらうのがメインです。
(上の方でランク4つ作ってくださいと言ったのはランクが少なすぎると、達成感を得てもらう回数が少なくなるからです。経験上4つがベストです。)
なので労力と時間をかけずお金だけでランクを上がれると達成感も喜びもありません。
こんなお客さんはランクに執着せずに別の会社に移りやすいです。
「より多くのお金を払ってくれるんだからそっちの方がいいじゃん。」
もしかしたらあなたはそう思うかもしれません。
確かに目先の収益はこっちの方が上でしょう。
ですが目的はランク制サービスの目的は顧客維持です。
この方法だと顧客維持を達成しにくくなります。
きちんと労力を時間をかけて自社の商品を買ってくれるという方は、それだけ自社を気に入ってることの裏返しです。
少し時間がかかっても自社を気に入ってくれる方を作るのは、生涯的な利益増加につながります。
だからお金で解決させてはいけないのです。
一度退会したらまた一番下からスタート
これはお金で解決させないの補足にもなるのですが、入会費でランクを決めると問題が起こります。
例えば最上位のプラチナメンバーがサービスが必要ないから退会したとします。
そして必要になったからまた入会、いらなくなったらまた退会。
そして必要な時だけ特典を利用される。
これではランク制サービスをする意味がない。
人は労力をかけて手に入れたものを、簡単に手放したくはありません。
なのでお金をかければまた同じところからスタート出来てはいけないのです。
「今持っているモノをまた時間と労力とお金をかけないと手に入れられない」と「退会」を天秤にかけてもらいます。
これで退会率は極端に下がります。これで退会する人はもう自社のサービスに満足できなくなった人なので仕方ありません。
顧客維持のためにも一度退会したらまた一番下からスタートしてもらう必要があるのです。
ちょっと頑張れば次のランクに行けそうという制限
これは具体的に説明するのが難しいです。
先ほどランク制サービスはランクを上げることによって達成感と喜びを得てもらうものと説明しました。
なのであまりにもランクアップの条件がゆるいと達成感も何も得られません。
ですが、条件が厳しすぎるとランクアップすることをあきらめてしまいます。
人は自分が想像した限界値よりちょっと上のことができると最高の達成感を得られます。
これを実現させるには「ちょっと無理すれば条件を満たせる」という制限が必要です。
ランクごとの特典を決める
最後にランクごとの特典を決めます。
ここも業種によって大きく変わる部分で、決めるのが難しい部分です。
当たり前ですが次々の入会費より魅力的な特典を作ることは大前提です。
入会費より金銭的価値が低い特典であれば入会する意味がありませんからね。
そして上位のランクに行くほどより入会費とくらべて大きく魅力的な特典が必要です。
ですがここで注意。
入会費と特典はきちんと計算しないと、いきなりステーキのように会社の首を絞めることになります。
ランク制サービスでよくある失敗は、魅力的な特典でお客様が増えすぎて問題が起きることです。
お店や会社の許容量を超えて、来客や購入が増え特典を停止せざる得ない状況。
まんまいきなりステーキですね(笑)
なのでこの部分はじっくりと時間をかけて考えましょう。
もし悩んだら航空会社やいきなりステーキの特典を参考にしてみてもいいかもしれません。
まとめ
顧客維持は新規集客に並ぶビジネスの最大の課題です。
でも新規集客ほど多くの会社が上手くできていない現実。
ですが、ランク制サービス一つで顧客維持はぐっと楽になります。
この方法はほとんどの業種で応用が可能です。
適用できないのは住宅販売など一度売ったら再度購入が望めないものくらいでしょう。
ランク制サービスの導入で顧客維持だけでなく、購入頻度や購入単価も上がります。
今回の手法はあなたの会社を激変させる可能性を秘めています。
是非ランク制サービスを導入してみてくださいね。