広告費を減らして潰れた会社の末路

利益

「配送費を節約するために購入した備品を社員に取りに行かせたわ~」

最近とある社長さんがこんな話を聞かせてくれました。

購入した備品の配送費が5000円もするから社員に往復4時間かけて取りに行かせたそうです。

(その社員の時給で考えたらほとんどコスト削減になってないのでは?)と思いましたが口には出しませんでした(取りに行かされた社員さんには同情しますが笑)

この話でコスト削減で気をつける事を思い出したので今回はコスト削減についてお話しします。

この記事はこんな方におすすめです

  • 経費の無駄を見直している方
  • コスト削減の努力はしているが正しいか不安な方

ほとんどの社長が間違えるコスト削減の仕方

先に多くの社長が間違えるコスト削減の方法を言ってしまいましょう。

それは広告費を削ることです。

もっと正確に言うなら収益につながる部分のコストを削ることになります。

広告費を削って会社がつぶれた話

これから話すのは僕がサラリーマン時代に勤めていた会社の話です。

店舗型ビジネスをしている会社で、創業して5年目程度の会社。

同業社のなかでは県内有数の売上を上げています。

創業当初から特にトラブルもなく収益を上げていて、店舗拡大もするほど勢いがありました。

ですがここで大きなトラブルが起こります。

コロナです。

はじめのうちは何とか売上も持ちこたえていましたが、とうとうそうも言ってられなくなります。

売上を増やすために仲のいい会社の仲介をしたり、フランチャイズに手を出したりいろいろ試します。

そしてコストの削減にも手が入りました。

まっさきに上がったのが広告費です。

毎月一定額のネット広告を出していたのですが、少なくない額だったのでまずそこから減らそうという話でした。

社員のなかでは「広告費減らしてお客さん来るのか?」と不安はありました。

ですが社長は「うちもそこそこ長くやってて認知されてるし、広告費減らしても大丈夫だよ。」

そんな訳で広告費を削減しました。

最初の月は特に変化がありませんでしたが、2か月目から変化が現れます。

お客さんが目に見えて減り始めたのです。

データで見ても客数は明らかに減っています。

明らかに広告費が減ったせいでした。

客数が減るという事は、売上が減るという事。

売上も右肩下がりです。

流石にこれはヤバいと思って僕も提案をしました。

「ネット広告を出さないのであれば、常連客さんにダイレクトメール(ハガキやメールなどのこと)を送って商品を買ってもらいましょう。」

幸いお客様の個人情報が必要なビジネスだったので、ハガキやメールを送ることは容易でした。

しかし、社長は「そんな効果が出るかわからない前時代的なものにお金は使えないよ。」と一蹴でした。

ハガキやメールを出す。

こんなことにもお金が回せないほど会社の売上はひっ迫していました。

広告費を減らして売上が減っていたので、新規のお客さんを集めるためにまた広告費を増やすという事ができません。

広告費を減らす→売上が減る→また広告費を減らす

こんな悪循環でした。

あとは坂を転げ落ちるボールのごとくです。

最終的に売上が固定費も賄えなくなり、会社はつぶれました。

広告費はコストじゃない!

僕のこの話は今思い出すと笑えるくらいの失敗例です。

ここまで見事な失敗例は少ないかもしれませんが、広告費を減らしたせいで悪循環に陥っている会社はよくあります。

特に実店舗は広告を出さなくてもお客さんが多少は来てくれるので広告費を減らしやすいです。

ですが、広告費に手を付けるの一番最後にしましょう。

私たちが思っているほど会社というのは認知されてないです。

大企業ならまだしも中小企業はほぼほぼそうです。

情報社会の現代でお客様に思い出してもらうというのはとても難しい状態になっています。

大企業はそれをよくわかっているので、CMなどで常にお客様に自社の存在をアピールし続けます。

別にあれはお金が余っているからやっているわけではありません。

やらないと売り上げが増えないからやるしかないのです。

大企業ですらそんな状態なのに中小企業が広告費を抑えてしまったらどうなるでしょう。

そりゃ売上は減るに決まってますよね。

メールマガジンやハガキも常連客さんに対する広告になるので出し渋っちゃいけません。

もしあなたが会社を成長させてきた経験があるなら思い出してみてください。

広告を出せば売れるという時期がおそらく一度はあったはずです。

掛けたお金以上にお金を稼いでくる。

広告費はコストではなく投資なのです。

それが本来の広告のあり方。

しかし広告費を削りたい気持ちもわかります。

長く事業を続けていると広告の効果は落ちてくるから。

ですが、それは広告を減らす理由にはなりません。

なぜなら大抵の場合、広告のどこかに問題があるからです。

  • あなたのお客さんになりそうな人が多い場所に広告を出せているか
  • 広告を見た人が見入ってしまうような広告の内容になっているか
  • あなたの商品を今買いたいと思ってもらうほど魅力的な提案ができているか

広告の効果がなくなってきたらこの部分を見直さなければいけません。

そしてこの部分を見直し、改善できるかどうかが成長できる会社と売上が下がっていく会社の分かれ目になってしまうのです。

まとめ

広告費はコストではなく投資

今回は是非この言葉を覚えてください。

広告費は極力減らしてはいけません。

広告費を減らして減った売り上げをまた広告を増やして取り戻す。

これはとても難しい。

広告はすべてのビジネスで避けて通れない課題です。

そしてすべてのビジネスに共通する成長の要因でもあります。

ここを改善できるかどうかでビジネスの成長が大きく変わってきます。

  • あなたのお客さんになりそうな人が多い場所に広告を出せているか
  • 広告を見た人が見入ってしまうような広告の内容になっているか
  • あなたの商品を今買いたいと思ってもらうほど魅力的な提案ができているか

今一度これらを見直してみてください。

どれもダメという結論が出てしまっても悲観することはありません。

これから勉強して改善していけばいいだけです。

ほとんどの社長さんはこれらの内容に原因があるという事も自覚できていません。

このサイトでも広告の作り方はこれから記事にしていこうと思っているので、ぜひこれから楽しみにしていてくださいね。