その値下げ本当に必要?値下げが会社にもたらす3つの毒

利益

値下げはすべての業界、すべての業種で起こります。

多くの場合、より売りたいから、より売り上げがほしいからでしょう。

しかし、即席の売り上げの為に安易に値下げをするのは得策ではありません。

多くの社長さんは値下げがもたらすデメリットをきちんと理解していないように思えます。

「商品一個の利益が下がるくらいだし大丈夫。」

こんな認識の人を多く見てきました。

今回の話は当たり前なことばかりですが、だからこそきちんと理解していただきたい内容です。

この記事はこのような方におすすめです

  • 売上を増やす為に値下げを考えている
  • 自分の売っている商品の値段を下げたくない方

もし今回の内容で、初めて知った事があればぜひ頭の中に入れておいてくださいね。

値下げが会社にもたらす3つのデメリット

さっそく値下げのがもたらすデメリットを説明していきたいと思います。

  1. 総合的な利益を減らす
  2. 価格競争を引き起こす
  3. 商品やサービスの価値を下げる

これらをみて「何を当たり前のことをいってるんだ」と思うのが普通でしょう。

ですが、きちんとその本質を理解していない人はとても多いです。

当たり前のことをきちんと把握するというのは、思った以上に難しいです。

ぜひここをキチンと押さえて周りの社長さんと差をつけてください。

総合的な利益を減らす

値下げは利益を減らします。当たり前ですね。

今月の売り上げが厳しいから仕方なく値下げをする。

たしかに売り上げは上がります。

ですが本当に利益は増えていますか?

月に10個売れる10000円の商品Aがあります。月の売り上げは10万円です。

商品Aを値下げして9000円にしました。すると15個売れて売り上げ13万5千円です。

売り上げが3割以上も増えました!

では利益を計算してみましょう。

原価、人件費、広告費、諸々含めて商品Aのコストは8000円だとします。

値段が10000円の時は利益2000円で10個売れてたので月の利益は20000円。

値段が9000円の時は利益1000円で15個売れたので利益は15000円。

値下げした時のほうが総合的な利益は減りました。

このように値下げをして売り上げが増えても利益が増えることは稀です。

利益は減るか、減らす前とそんなに変わらないがほとんどです。

値下げ前より利益を出すには、圧倒的な販売数の差をつけなければいけません。

そもそも値下げして圧倒的に販売数が増えたのであれば、商品の値段のつけ方が間違っている可能性があります。

正しい商品の値段のつけ方はこちらで説明してるので、興味のある方は是非ご覧ください。

ビジネスにおいて重要なのは売り上げよりも利益です。

値下げをすると売り上げが増えて気分がよくなるかもしれませんが、それが自分の首を絞める事になります。

ぜひこのことは肝に銘じておいてください。

価格競争を引き起こす

「でも、最安値を自称して売ってるから競合が値下げしてきたら値下げせざるを得ない。」

地域最安値などを謳っているお店などでよくあることです。

値段の安さをウリにしているから他より高くなってしまってはお客が減る。

そう考えてる方はとても多いです。

最安値にするために値下げをして利益が減る。

そして同じく最安値を自称している競合が値下げをしてくる。

また最安値をするために値下げをして利益を減らす堂々巡り。

こうなってしまっては小さい会社はどうしようもありません。

基本的に薄利多売は資本がある大企業の特権です。

より多くの人を相手にできる販路があってこそ薄利多売は可能なので、小さい会社が大企業を真似ると資金が持たない。

なので僕はそもそも薄利多売や最安値をウリにすることはおすすめしていません。

このことは以下の記事で詳しく説明してるので興味ある方はご覧ください。

販路が限られているならば、最安値をウリにすることが自殺行為になります。

この場合は時間をかけてでも他のウリを作ることをお勧めします。

商品やサービスの価値を下げる

「商品の値段を下げたからと言って、価値が下がることはないんじゃないか?」

あなたはそう考えるかもしれません。

アメリカでこんな実験が行われました。

新しいお菓子屋を出すといって路上を行きかう人々に2種類のケーキを試食してもらいました。

価格は片方は15ドル、もう片方は55ドルのケーキです。

15ドルのケーキを試食してもらうと「ぱさぱさしている」「クリームがいまいち」との評価を受けました。

55ドルのケーキは「舌触りがなめらか」「15ドルのやつとは使っている材料が違う」「おいしい」と絶賛されました。

しかし、この二つのケーキはおなじ材料、おなじ方法で作られたもの。

このように値段は人間の知覚に影響を与えます。

人は商品について値段にふさわしい価値を感じ取ろうとするのです。

例えばブランドバッグ。

高品質ですがその事を実際に知覚している人はほとんどいません。

値段が高いから高品質なんだろうと思っているだけなのが現実です。

ニセモノが大量に売られているのがその証拠でしょう。

本当に品質が分かっている人が多ければこんなことにはなりません。

あなたが値下げすれば、お客さんはその商品はその程度の価値しかないと思います。

こうなってしまうとあなたの会社の認識に問題が出ます。

どこにでもあるそこらへんの会社と認識されては、誰も喜んであなたの商品を買う事はありません。

値下げはこのような危険性もはらんでいることを覚えておいてください。

まとめ

値下げは多くの会社が使う戦術の一つですが、きちんと本質を理解して使わないと自らの首を絞めることになります。

値下げをするときは本当に必要な値下げなのか、値下げをしてきちんとメリットがあるのかを考える。

とりあえずで値下げをすると商品の価値を下げ、利益も減るというヒサンな状況になります。

こちらで正しい値付けの方法を書いてあるので是非参考にしてください。

今回の内容はぜひ頭の中にとどめておいてくださいね。