より多くの顧客が欲しがる新商品を作る。
ビジネスではしょっちゅう直面する悩みです。
ですが、「よし、新商品作るか!」と言って作ることができれば苦労はありません。
大抵は悩んで悩んで出てくるものです。
それがきちんと売れてくれればいいですが、売れなければコストも回収できない。
新しい商品を作るのは時間と労力とお金がかかります。
ですが、今あるものを使ってサクッと新商品を作れたらどう思いますか?
時間も労力も大してかからない。
コストだって今あるものを使うだけだから大して増えない。
今回はそんな方法について説明していこうと思います。
この記事はこんな方におすすめです
- 新商品を作りたいけどめんどくさい
- 手っ取り早く利益が出る新商品が欲しい
今ある商品から多くのお客様が欲しがる新商品を簡単に作る方法
これから紹介する方法を僕は「3ランク商品化」と呼んでいます。
一言で言ってしまえば、三つのランクの商品を作る。ただそれだけです。
既にある商品から付加価値や特徴を足したり引いたりすることによって新商品を作ります。
例えばバーガーショップでハンバーガーだけじゃ物足りないからポテトとドリンクをつける。
ハンバーガーにポテトとドリンクの付加価値を付けたので、ハンバーガーセットという別の商品に変わりました。
逆に本来セットで売られているモノを全部使わないからという理由で単品で買えば、これもまた別の商品に変わります。
これが付加価値の足し算引き算になります。
既にある商品からすこし形を変えるだけで、今までより多くのお客様の需要にこたえることができます。
「たったそれだけ?」そう思うかもしれませんが、これがかなりの効果があります。
三種類の購入者の心理
商品を買うとき購入者の心の中は大きく三つに分かれます。
- 特にこだわりはないからとりあえず安く買いたいタイプ
- 失敗したくないから高くても品質のいいものを買いたいタイプ
- 1番と2番の中間のタイプ
特にこだわりはないからとりあえず安く買いたいタイプ
用途も目的もはっきりしているので、それさえ満たせれば一番安いものを買うタイプです。
食料品や日用品など必要だから買われるものに多いです。
初めて買うものだけど品質が分からないからとりあえず一番安いもので試したい人もここに入ります。
失敗したくないから品質のいいものを買いたいタイプ
品質が悪くて後悔するくらいなら高めでも品質がしっかりしたものが買いたいタイプです。
電化製品など元の値段が高いもの、趣味などそのジャンルにこだわりを持っている人が該当しやすいです。
この人たちは良いものを買って長く使うことが一番安上がりだと考えるので、値段に対する抵抗が少ないです。
1番と2番の中間のタイプ
値段が高いのを買うのは無理だけど、最安値で品質が気になるのも心配というタイプです。
1番と2番に当てはまらない多くの人がここに入ります。
他にも分けようと思えばもっと分けることができますが、あえてそれはしません。(理由は後述します)
重要なのは今まで一種類の需要しか満たせなかった商品から、他の種類の需要を満たす商品を簡単に作ることです。
ここに書いた3種類の需要を満たすことができれば、今まで以上に多くの人に買ってもらえる商品は作れます。
実践方法
商品を3ランク商品化にするには、まず新商品のもとになるランクの基準となる商品を決めます。ランクの基準となる商品を決めたら
- 基準の商品から付加価値をプラスした高級タイプの商品
- 基準の商品から付加価値をマイナスした割安商品
を作ります。
三つのランクの名前は何でもいいんですがここでは上から金・銀・銅とでもしておきます。
それぞれのランクの特徴として
- 金:高級商品。既存の商品に付加価値を付けくわえて高価格高利益を実現したもの
- 銀:ノーマルタイプ。3ランクの基準となるすでに販売している商品
- 銅:割安商品。すでにある商品から付加価値を減らして価格を下げたもの
この三つを用意すれば、上記に書いた三種類のお客さんを満足させることができます。
「3のランクの商品を用意すればいいのはわかったけど、付加価値の足し引きをどうすればいいかわからない」
すぐには思い付かないと思うのでいくつかの例を挙げておきます。
付加価値を増やす方法
付加価値を増やす場合には
- 高品質
- セット販売
- 複数個販売
- 待ち時間が少ない
- 手厚い保証
これらの方法があります。
高品質
これは一番わかりやすいものです。
コーヒーやビールなどでよくある手法で、普通のものよりいい材料を使うことで味などの品質を高める方法。
材料だけでなく、普通のものより手が込んでいる場合もこの方法が使えます。
セット販売
ハンバーガーセットなど、よく一緒に買われるものをあらかじめ一緒にして一つの商品として売り出す方法。
オールインワンセットなどは悩まなくていいという点で需要も高く、利益率も高いです。
一緒に買うことでお客様の利益が増える、面倒が減るような商品はできる限りまとめちゃいましょう。
複数個販売
商品として一個だけじゃなく複数個買うのが前提の商品の場合、多い数のものをまとめて販売するのもいいです。
例えばカミソリの刃は定期的に変えるので、いくつも数がまとめて売られてますよね。
この方法はサブスクリプション形式だとよく使います。
あの手のは月額〇〇円ですが、3か月分、6か月分、12か月分の販売などいくつも上のグレードがありますよね。
12か月分販売になると割引を考慮しても、1か月分販売と比較にならないキャッシュが手に入ります。
使わない手はないでしょう。
待ち時間が少ない
宅配とか通販だと追加料金を払うことで早めに送ってくれることがあります。
Amazonだとプライム会員は届くまでが早い。あんなかんじですね。
お客様を待たせてしまうことがある仕事だと、追加料金で優先的に対応したり対応時間を減らすなどに使うことが可能です。
手厚い保障
電化製品など買うと保証付きますよね。
電化製品じゃなくても、商品やサービスに保証をつける事によって高い値段をつける事ができます。
既に保証がついている商品でも、さらに上の保証を付けるといったことも可能です。
付加価値を減らす方法
付加価値を減らす場合
- 低品質
- バラ売り
- オフピーク
- 限定的な保証
という方法が取れます
低品質
高品質と逆のパターンで普段使っているモノより低品質のものを使うことで価格を抑えます。
低品質と言ってもきちんと商品として出せるものに限りますが。笑
バラ売り
これは本来セットで売る商品をあえて単品で売る方法です。
例えばカラーペンをセットで販売をしてるけど、特定の色だけ使いきったからその色だけ買いたいお客さんがいるようなもの。
利益は低いですが需要は高いです。
オフピーク
居酒屋で「〇時から〇時までビール○○円!」がオフピークです。
忙しくない時間帯に割引を合わせることで、ピーク以外のお客さんの回転率を高めます。
飲食店でなくてもシーズンによって閑散期が分かっているのであれば、そこに割引を入れることで仕事が増えます。
限定的な保証
本来の保証以上に内容を限定的にします。
3か月保障のところ1か月保障にしたりすることで、負担を軽くし値段を安くすることができます。
以上が付加価値を増やす、減らす方法はよくある例になります。
あくまでよくある例ですので、これらに当てはまらなくても自分の商品に適切な方法があるなら、それを試してみることをお勧めします。
4つ以上商品のランクを作ってはいけないわけ
この方法をお伝えすると「4つや5つランクを作ってもいいですか?」とよく聞かれます。
ランクを増やせばより多くの人の需要を満たせるという考えに至るのは当然です。
ですが僕はあまりお勧めしていません。
多く選択肢をつくるとお客様が混乱するからです。
何かを選ぶというのは多くの方が思っている以上に、脳にかなりの負担を与えます。
例えばスティーブ・ジョブズ。
彼は黒のタートルネックにジーンズという姿がトレードマークでした。
他の服を着ていたイメージがありません。
なぜならジョブズはこのように公言していました。
今日は何を着るかという選択に脳のエネルギーを使いたくない
スティーブ・ジョブズ
それほどまでに選ぶという行為はエネルギーの消耗が激しいです。
もしお客様が選ぶという行為に悩み続けとどうなるのでしょうか?
結論としてお客様は「買わない」という選択肢を選びます。
人間は失敗を極端に嫌う動物です。
どちらが自分にとって最適な商品かわからない、ベストな商品を選べるかわからないとなると失敗しないために商品を買わないを選択します。
選択肢が多ければ多いほど、この傾向は強いです。
ですから僕は3つのランクまでがベストと考えています。
3つの選択肢であれば需要を多くカバーして、かつお客様に悩ませない事が可能です。
もし4つ以上作るのであれば、そのどれもが明らかにほかの選択肢と違うと一目でわかるようにしなければいけません。
まとめ
- 既存の商品に付加価値をプラスした商品
- 既存の商品の付加価値をマイナスした商品
これだけで商品のバリエーションは増えますし、顧客の需要をより多く満たせるようになります。
既にある商品を流用したり、売り方を変えるだけなのでコストもそれほどかかりません。
付加価値をプラスした商品からは高利益を得られるようになります。
付加価値をマイナスした商品した商品は利益は下がりますが、新規獲得に役立ちます。
そしてその新規客が商品に満足してくれれば、より上のランクの商品を買ってくれるようにもなります。
0から新商品を作って時間とお金と労力の不安を抱える前に、今ある商品から3ランクの商品を作れないか考えてみることをお勧めしますよ。